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地震の森のツキノワグマ

6月4日、祭畤山(まつるべやま)の中腹の森を散策してきました。

一関市内から祭畤山に行くには、2年前の岩手・宮城内陸地震で崩落した祭畤大橋の横にできた仮設の橋を通ります。そこから見える、地震の記憶を風化させないためにと残された祭畤大橋の残骸を見ると、揺れのすさまじさが伝わってきます。周辺の山腹には地震でできた崖崩れの跡が生々しく残っています。
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森に入ると、若葉をいっぱいに広げたブナの大木が迎えてくれました。
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が、ここにも地震の爪痕が残っています。
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倒木の上に鳥の羽が散乱していました。猛禽が捕まえて、ここで食べたのでしょう。
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途中の沢は、地震の際の土石流で埋まっていました。そこに簡易型の堰堤が作られていて、傍らに真新しい看板が建てられていました。誰も来ないようなこんな所に、国の予算を使って立派な看板が建っているのですが、こんなの必要なんですかね。日本各地の山の中に、同じような看板が無数に建てられています。蓮舫さんに見せたらなんと言われるか・・・
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・・・などと思いながら見ていると、なんだかちょっとおかしい。高さ2メートル余りの看板の一部が壊れているのです。
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こんな山の中に来てわざわざ看板を壊していくのは・・・ 林野行政に不満を持つ分子たち? いやいやこんな事をしたって何の意味もありません。では、何者? もう、お気づきの方もいるのではないかと思いますが、これはツキノワグマがガリッとかじった跡です。


証拠はこれ。上り下りした時に爪痕をしっかり残していきました。ツキノワグマは山中に建てられる看板や道標の類が嫌い(いや、好きなのかも)なようで、新しくできたこの類の人工物にはたいてい痕跡を残しています。塗料のにおいに反応するのでしょうか。
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 以上 Canon EOS20D  EF17-40mm F4L

地震の影響がまだ残る森。でも、生き物たちはこの森で逞しく生き続けています。
by fieldnote | 2010-06-07 00:39 | ツキノワグマ