シカの落角
2007年 04月 30日
急勾配、急カーブの続く旧国道283号線は敬遠され交通量は激減。私は密かにこの日の来るのを待っていました。今では「旧道」となったこの道路は、様々な野生動物との遭遇の可能性が高い場所だったのです。交通量の大幅な減少で出会いの可能性がさらに大きくなりました。
ところできのうは、「旧道」が開通する前に使われていた「旧釜石街道」を歩いてきました。ここは自動車道路ができる前、遠野の沓掛から釜石の大橋まで通じていた山道です。最高地点の仙人峠は標高887m。当時は3時間かけてこの山道を歩いて行き来したのです。
目的はフクロウの営巣木の確認。ずうっと以前、峠の手前で見つけた樹洞が気になっていたのです。釜石側の大橋からしばらく登った所で大きな枯れ木を見つけました。目的の樹洞ではありませんが、もしやと思い道を外れ急斜面をずり落ちそうになりながら登っていきました。
枯れ木の根元に着いてふと地面に目をやるとこんなものが。
ニホンジカ(ホンシュウジカ)の角です。今までシカの生息地をさんざん歩き回っていたにもかかわらず、落角を見たことは1回だけでした。しかもその時は若いシカの小さな角。今回見つけた物は長さ62.5センチ、重さ672グラムの比較的大きなものです。手に持つとずっしりした感触で、こんなものを頭に2本もくっつけているシカの体力はすごいと関心しつつ、もう片方の角も近くに落ちているかもしれないとかなり念入りに探しましたが、見つかりませんでした。
肝心のフクロウの樹洞ですが、白く朽ち果て崩れ去っていました。
by fieldnote
| 2007-04-30 21:36
| ホンシュウジカ