マイマイガ
2008年 08月 20日
ところでこの夏、岩手県内ではガの大発生が話題となりました。県北や沿岸部を中心に「マイマイガ」というガが大量に羽化して、夜は街灯や看板に集まり大変なことになっていたようです。内陸の盛岡でも同じような状態が続いたそうです。
8月の中旬、撮影のために立ち寄った沿岸部のある町で、このマイマイガに遭遇しました。ある川の河川敷をあるいていると、オニグルミやサクラの幹にポツポツと白いものが・・・
なんだろうと近づいてみると
河川敷にある大木の幹はほとんどこの状態でした。話題のマイマイガだろうということはすぐにわかりました。昼はこうして休んでいるんですね。
町の人たちはガの襲来に困りいろいろ自衛策を立てたそうですが、効果的だったのは明かりを消す作戦だったようです。夜に通過した町では、いつもと全く違う雰囲気。とにかく暗いのです。町を明るくしている代表選手のようなコンビニもこのとおり。閉店中かと思いました。
町中暗くて最初は異様な感じもしたのですが、人々の活動は普通ですので慣れるとなんともありません。節電を叫んでも一向に変わらない(変えようとしない?)明るい日本の夜も、小さなガのおかげでかなりのエネルギーの節約になったのではないでしょうか。
宮沢賢治は「毒蛾」という作品を残しています。1922年に盛岡市を中心に大発生したガをヒントに書いたものですが、今回のマイマイガ騒動を彷彿とさせるおもしろい作品でした。