3本足のシカ
2009年 01月 12日
その鳥獣保護区内にいるシカも、この時期はなぜか非常に神経質になっており、車の近づく音だけで、飛ぶように逃げて行ってしまいます。
鳥獣保護区内ではもちろん狩猟は禁止されているのですが、密猟が行われているという情報は以前からありました。もしかするとここのシカたちは人目に付きにくいこの時期、不心得者たちに追い回されているのかもしれません。
夕方近く、山を下りていると前方に1頭のシカを見つけました。雪を掘って笹を食べていたようですが、気配を察してこちらを振り向きました。けれども、日中に出会った多くのシカたちと違い、振り向いたまま凍り付いたように動かないのです。
「なにか、おかしい」 双眼鏡をのぞいて驚きました。
この傷口を見て、以前、有害駆除されたシカの死体がトラックの荷台に山積みされていた光景を思い出しました。足が付け根から無いもの、下あごや鼻先が欠損したものなどが無造作に折り重なっていて、銃の威力の凄まじさにぞっとしたものでした。
このシカの後ろ足も、ライフルの弾丸に吹き飛ばされたのでしょう。仲間たちと行動を共にすることもできず、一匹だけで今日まで生き延びてきたようですが、このからだで厳しい冬を乗り切っていけるかどうか・・・
Canon EOS40D EF70-200mm F2.8L IS
Canon EOS-1D MarkⅢ EF500mm F4L IS + Extender ×1.4Ⅱ
やがて3本足のメスジカは、こわれたおもちゃのような動きで斜面を登り姿を消しました。