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ツキノワグマはどこへ?

先週末と今週末はツキノワグマの生息地を巡りました。昨年のデータを元に最も出現する可能性のある場所を重点的に歩いていますが、今の所、姿も痕跡もありません。

代わりにというのも何ですが、2週連続同じ場所でイヌワシを見ることができました。

先週は、大きな谷をはさんで対岸の森を眺めていた時、偶然、双眼鏡の視野に飛び込んできました。
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以上 DMC-GH4 + EF500mm F4L IS  2015.9.5 遠野市


今日は、車を置いて歩いている時に、遠くの空に舞う2羽のイヌワシを見つけました。旋回を繰り返しながら、先週飛んでいた谷の上空に移動し、やがて見えなくなりました。
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GH4 + G X VARIO PZ 45-175mm 2015.9.13  遠野市


イヌワシとの出会いはうれしいのですが、この時期にツキノワグマの痕跡が全く見られないのはとても気がかりです。
by fieldnote | 2015-09-13 23:04 | イヌワシ

子育て中のイヌワシ

10日ほど前のイヌワシのペアの様子です。ヒナがいる巣に巣材を運び込んだり、巣からヘビをぶら下げて飛び立ち、オスとメスが仲良く飛び回ったりと、なかなかおもしろいシーンを見せてくれました。
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 Canon EOS40D EF500mm F4L IS

この時期になると親が巣を空ける時間が長くなるようです。この日は、少なくとも1時間半以上、親が戻って来ない状態が続きました。近くで見守っている様子はなく、かなり遠出しているようでした。付近をカラスの集団が飛び回ったりしてやきもきしましたが、親からの攻撃を恐れてか、巣に近づくことはありませんでした。

  * * * * * * * * * * * * * * 

仕事で超多忙な日が続き、更新もなかなか思うようにできないのですが、連休にはフィールドに出る時間をたっぷりと取りたいと思っています。
by fieldnote | 2009-04-30 22:08 | イヌワシ

先週、すっぽりと雪に埋もれていたイヌワシの巣。産卵を控えたペアの様子が気になっていたのですが、行って見ると雪はすっかり解けていました。厳冬期らしからぬ高めの最低、最高気温と晴天が続いたことが幸いしたものと思われます。

巣材運び
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カラ松林をバックに
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飛びながら足の爪で首を掻く
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交尾の直後に飛び立つオス(すぐ左の枝かげにメスが見える)
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青空をバックに
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羽を絞って巣へ向かう
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以上    Canon XL-H1   EF300mm F4L IS  

巣材運び、魅力的な飛翔、交尾などさまざまな生態を観察、記録することができました。メスがほとんど巣を離れないことから、ここのペアは抱卵に入ったようです。なお、画像はすべてビデオカメラで撮影した映像からキャプチャしたものです。
by fieldnote | 2009-02-08 18:08 | イヌワシ

ドカ雪の中のイヌワシ

2月最初の日曜日、前日の暴風雪による影響が気になり、あちこちのフィールドの様子を見回ってきました。イヌワシの生息地にも立ち寄り、何カ所かで現地の方からお話をお聞きすることもできました。

夕方に立ち寄った場所では、巣の周辺でメスがエサを持ち、それにオスが絡むようにしている様子が見られました。どちらの声かはわかりませんでしたがピキョ、ピキョ、ピキョとかなりにぎやかな声が聞こえてきます。2羽で飛び立ったかと思うとすぐに木にとまり、また飛び立つというふうで、オスがエサをねだっているようにも見えました。
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ここも、この時期の1日の降雪量としてはかなり多かったようで、周辺の木々は重い雪を乗せていました。
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以上 Canon EOS40D  EF500mm F4L IS

付近にある巣は雪をたっぷりとかぶっていて、使っているようには見えなかったのですが、陽が傾き再び雪が降り始めた頃、1羽が巣の周辺を旋回し始めました。よく見ると葉の付いた松の枝を持っています。そのうち、羽ばたきながら巣に舞い降り、枝を置いてまた飛び立ちました。やがてメスがやって来て巣の中に入りました。するとオスがまた枝を持って来て巣に運び入れます。
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Canon XL-H1   EF300mm F4L IS

巣の中の状態は見えないのですが、積もった雪の上に松葉を敷いていたのではないかと思います。思いがけない暴風雪に見舞われたにもかかわらず、このイヌワシのペアは産卵に向けてしっかりと準備を行っていたのでした。
by fieldnote | 2009-02-06 07:16 | イヌワシ

1月の末と言えば、岩手では最も気温が低く雪が多い時期なのですが、今年は雪がほとんど無く気温も高めで推移しています。私がフィールドにしている五葉山周辺の山も、上部に行けば吹きだまりなどがあって車の進入は難しい所もありますが、標高600mから下では、雪は先日の雨でほとんど消えていました。シカたちは相変わらず警戒心のかたまりのように、すっ飛んで逃げて行きます。鳥獣保護区内にもシカ狙いのハンターたちが、何人も様子見?に入っていました。

道を下っているとオオワシが尾根上を見え隠れしているのを見つけました。冬場には、この場所でよくオオワシに出会うのですが、今回も風に乗ってスピード感あふれる飛行を見せてくれました。オオワシがこの山に来るのは、倒れたシカの肉が目当てだと言われていますが、私はワシがシカの肉を食べている場面に遭遇したことはありません。
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下の谷に視線を移すと、1羽のイヌワシ成鳥がホバリング体勢から両足をぐんと前に突き出して急降下を始めたのを見つけました。エサ不足で繁殖率が低迷しているイヌワシ。この辺りではノウサギはほとんど見かけることが無くなったので、ヤマドリでも見つけたのでしょうか。イヌワシが樹木のかげに姿を消したとたんに、オオワシが双眼鏡の視野を横切りました。えっ、と思った直後、もう1羽が後を追うように飛んでいき上空で仲良く旋回。その様子からどうもつがいのようです。
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3羽のワシに出会えて気分が良くなり、場所を変えて別のイヌワシの様子も見に行くことにしました。いつもの尾根にとまっている1羽を見つけ観察していると、オスがやって来てやがて交尾。
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以上 Canon EOS40D  EF500mm F4L IS+Extender ×1.4Ⅱ

現地では、しばらく会っていなかった観察仲間の方たちとも会うことができ、元気そうな様子に安心。たくさんの出会いがあった1日でした。
by fieldnote | 2009-01-26 07:13 | イヌワシ

イヌワシの衝突死 4

12月19日、NHK盛岡放送局は「検証 イヌワシ衝突死」というリポートを「おばんですいわて」という番組の中で放送しました。風力発電施設の現場でイヌワシの遺骸が発見されたのが9月20日、環境省の発表が11月14日であり、スピードが命の報道現場にあって、いささか鮮度の落ちた「事件」でありながら、6分もの時間を使って取り上げていました。この問題に詳しい人たちからすると食い足りない面もあるようですが、NHK盛岡放送局の姿勢は評価されるべきと思います。

中でも、風車に羽を切断されたイヌワシの遺骸の画像が放映されたことは注目に値します。この画像は、聞くところによると、宮古自然保護官事務所では撮影を拒否され、仙台の東北地方環境事務所まで行って撮影してきたとのこと。リポートした菊池ディレクターの気概が感じられました。
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放映された画像を撮影したのは事業者であるユーラスエナジー社なのか、報告を受けた環境省なのか、それとも解剖をした北里大学獣医学部なのかはわかりませんが、バックに車や人物など全く関係のない写り込みがあるところなどを見ると、ポスターか何かの上に無造作にイヌワシの遺骸を置いて撮影したものでしょう。この問題が当時、関係者の間でどのように受けとめられていたかが伝わって来るような気がします。

放送の中では、日本野鳥の会宮古支部長の佐々木 宏氏、岩手県立大学教授の由井政敏教授がそれぞれの立場から見解を述べていました。その中で私が注目したのは由井教授の見解です。取材する側からすると専門家の見解は欠くことのできない要素だと思いますが、その話の中心は次のようなものでした。

「風力発電施設建設前に3年間調査した。その時はイヌワシはほとんど現れなかった。その結果から、イヌワシの衝突事故の確率は<50年に1頭>という結論を導き出した。風車建設後に急にイヌワシが飛来するようになった。その出現率は建設前の20倍以上である。」
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                   左下の彩色されたメッシュ付近が衝突現場


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風力発電施設建設をはさんで出現率に20倍以上の差があるというのは、野生生物の生態を研究、観察している者の通常の感覚でいえば「極めて不自然」なことです。さまざまな人たちが、建設前の3年間の調査方法や結果を疑問に感じているようですが、当然のことと思います。

放送は由井教授の次のような言葉で締めくくられています。
「北上高地は牧草地以外は森林が繁っているのでイヌワシの餌場が無くなり、繁殖地を離れて遠くまで来ざるを得ない状況になっている。今回の反省だが、3年調査しても、4年目、5年目にますますエサ狩り場が無くなるからイヌワシが来る可能性がある。風力(発電施設)を建てたら、それと同じくらいたくさんのエサ狩り場を作らなければ、必ずイヌワシは来る。」

事前の環境評価を行い、建設に同意した当時の組織の長としては、このような説明をするしかなかったのかもしれませんが、いささか説得力に欠ける見解でした。ここには具体的なことは書けませんがいろいろな裏話もあるようです。

このリポートの直後のニュースでは、日本野鳥の会岩手県連絡協議会会長、日本野鳥の会盛岡、宮古、北上の各支部長、財団法人日本野鳥の会会長名で岩手県知事宛に「釜石広域ウィンドファームにおけるイヌワシ衝突死の対処についての要望」を提出したことを伝えていました。

      

ここに掲載した画像はテレビ放送された画面を撮影したものです。掲載にあたっては、事前にNHK盛岡放送局に連絡し許可をいただいています。
by fieldnote | 2008-12-31 23:58 | イヌワシ

イヌワシの衝突死 3

風車の真下から見上げるようにしていると、回転するブレードが迫ってくる速さを実感することができます。そのスピードは先端部で時速150~300kmと言われていますので、場合によっては新幹線以上速さで迫ってくるわけです。
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「風の精霊」とも呼ばれるイヌワシの運動能力は相当高く、観察していると、強風の中でも自由自在に急反転したり降下や上昇を繰り返したりと、わくわくするような飛び方を見せることがあります。そのイヌワシがなぜ、風車に接近し回転翼にたたかれ翼をもぎ取られて死んでしまったのでしょうか。

                                 六角牛山を望む
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以上   Canon EOS20D  EF17-40mm F4L      


周囲の環境は、小動物を発見しやすくイヌワシの狩り場として好条件です。イヌワシは好んでこの場所にやって来ていたのかもしれません。風車の建つこの付近には貞任山のピークがあり、南西の方角には六甲牛(ろっこうし)山、北西には早池峰と、柳田國男の名著「遠野物語」に登場する山々を望むことができます。

                            右奥が早池峰、左は薬師岳
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 Canon EOS40D  EF70-200mm  F2.8L IS

周辺にあるテリトリーから飛来する頻度が上がれば、その分、風車に接近する時間も増えます。風車は風の通り道を選んで建てているので、風を利用して飛んでいるイヌワシは必然的に風車の近くも通過することになります。また、ウサギやヘビなどの小動物を見つけてハンティング体勢に入った場合は、風車の存在よりも餌の方に気をとられることもあるでしょう。それでも、視力、運動能力に優れるイヌワシなら、ブレードの接近を関知して回避行動をとるのではないかと思うのですが、それが非常に困難であることが実験で証明されています。「モーション・スメア現象」と呼ばれ、高速で動いているブレードに接近すると、網膜の感知能力がスピードについていけなくなり、急にブレードが見えなくなるということが起こるのだそうです。

その瞬間を見ていた人はいないので衝突の原因は詳しくわからないのですが、イヌワシが風車のブレードに翼を切断されて死んだことは動かしようのない事実です。林立する風車群の中に身を置いていると、死んだイヌワシの無念が伝わってきて、いたたまれなくなってきました。

*     *     *     *     *     *     *

東北地方環境事務所の報道発表資料に、今回のイヌワシ衝突死に関する詳細な内容がありますので参考にしてください。
http://tohoku.env.go.jp/pre_2008/1114c.html
by fieldnote | 2008-12-25 07:10 | イヌワシ

イヌワシの衝突死 2

道なりに進んでいくと、風車はどんどん近づいてきました。この日は曇りで風が強く、時々雲が切れて青空がのぞく天気。発電用の風車はすべて西を向いて回転していました。ブレード(風車の羽)は時計の針と同じ方向に回っています。
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風車の下まで来るとその大きさに圧倒されます。車のエンジンを止めると、シューシューという音がブレードの回転に合わせて鳴っているのが耳に入りました。
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さらに進んで、風車の根元までやって来ました。立ち入り禁止になっていると思っていたのですが、意外にも、規制をするような柵や看板は何もありません。「風車から雪や氷が落ちてくるので気をつけるように」という小さな看板があるだけでした。さすがに回転しているブレードの真下に行くのは気が引けます。
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以上   Canon EOS20D  EF17-40mm F4L

ちょっと離れた所から見ていたときは、思ったよりブレードの回転スピードは遅く感じたのですが、根元に近づいてしばらく見ていると、そうではないことがわかってきました。
by fieldnote | 2008-12-19 07:24 | イヌワシ

イヌワシの衝突死 1

釜石の和山高原に行ってきました。11月14日から15日にかけて県内の新聞、テレビが一斉にこのことを報道したのでご存じの方も多いと思いますが、ここは「国内で初めて、イヌワシが風力発電の風車に衝突死」した場所です。

釜石の鵜住居(うのすまい)と遠野の青笹を結ぶ県道35号線の釜石側にその入り口があり、写真のような看板が立っていました。
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急な坂を車で上ること約15分、高原状の場所に出ると牧場があり、赤毛の牛が雪の草原で草を食べていました。よく見ると後ろに新山牧場側に立つ風車が見えます。
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さらに牧野の中のグネグネとした道を進むと、やがて今回の「イヌワシ衝突死」の現場である遠野と釜石の境界に立つ風車群が見えて来ます。
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以上   Canon EOS20D  EF17-40mm F4L

この辺りは、私が釜石に住んでいた20年ほど前、「和山フェスティバル」という催しが開かれた場所ではないかと思います。確か地元の振興ということで大々的に宣伝されて、かなりの人が集まりました。私は主催者から依頼されて星空観察と早朝の野鳥観察のお手伝いをした記憶があります。が、久しぶりに訪れてみると稜線に沿うように風力発電用の巨大風車が林立し、一種異様な雰囲気を醸し出していました。

これから何回かに分けて、ここを訪れて見てきたこと、考えたことなどをお伝えしようと思います。
by fieldnote | 2008-12-14 23:02 | イヌワシ

三つ星

「三つ星」と聞くと、ちょっと前に話題になった「ミシュラン」の番付を思い浮かべる人が多いのかもしれません。が、長年天体観察に親しんできた私は、オリオン座の真ん中に仲良く並ぶ三つの星を思い浮かべます。

ところが野鳥好きの人たち、特に猛禽類を観察している人たちにとって「三つ星」とは、イヌワシの幼鳥、若鳥のことを指し、特別の思い入れを持ってそう呼んでいるそうです。私も生き物、特に猛禽類の姿や生態に魅せられている一人ですが、イヌワシの幼鳥との出会いはこれまでほとんど無く、「三つ星」ということばでその姿を連想するほどイヌワシに「入れ込んで」いたわけでもありません。と言うよりも、イヌワシは私にとっては近づき難い存在だったというのが正確なところです。

最近、私が通っているフィールドでこの「三つ星」と出会うことができました。イヌワシの成鳥は時々見かけるのですが、ここで若鳥と出会ったのは初めてです。両翼と尾羽の付け根が真っ白で「三つ星」とはよく言ったもの、と感心しました。
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以上    Canon EOS-1D MarkⅢ  EF500mm F4L IS + Extender×1.4Ⅱ

かなりの低空で旋回したあと高く上昇し、長い足を突き出して急降下。見つけた獲物に襲いかかりました。地上での様子はよく見えなかったので、狩りが成功したのかどうかは確認できませんでした。その後、成鳥がやって来て2羽がじゃれるようにからんだ後、若鳥は北に向けて飛び去っていきました。

正確なことはわかりませんが、おそらく成鳥のテリトリーに飛来した若鳥が威嚇されて逃げ去ったものと思われます。イヌワシの繁殖が危機的な状況にある中、元気な若鳥の姿を確認することができたことをうれしく思いました。
by fieldnote | 2008-03-23 11:00 | イヌワシ