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ホンシュウジカ

秋はホンシュウジカの発情期です。9月末から11月にかけて山々に長く尾を引くオスジカの鳴き声が響きわたります。その声を聞きたくてホンシュウジカの生息地である五葉山(ごようさん)周辺に出かけました。「食害」問題で頭数調整(有害駆除)やフェンスの設置などが行われているためか、以前よりかなり数が減っている感じでした。
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Canon EOS20D  EF500mm F4L IS

私が観察を始めた20年ほど前、五葉山はホンシュウジカの北限の生息地と言われていました。しかし近年、ホンシュウジカはその生息範囲を拡大してるようです。川井村新田牧場付近では、毎年秋になると複数のオスジカの声が聞こえます。最近では、さらに北部の旧新里村(宮古市)の山でもオスジカを見かけることがあります。
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Canon EOS20D  EF500mm F4L IS

もともとホンシュウジカは県内に広く分布していたのですが、狩猟圧や開発でしだいに姿を消しました。数十年前は五葉山でも「3日歩いてもシカには会わない」のが普通の状態だったようです。それが「食害」をおこすほど増えたのは、天敵であるオオカミの絶滅や北上山地の牧野開発と深い関係があると言われています。
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Canon EOS20D  EF500mm F4L IS

人間の行為により、その生態に大きな影響を受けているのは他の野生動物も同様ですが、イーハトーブの生き物たちと人間との関係を象徴的に示しているのが、このホンシュウジカではないか、と私は考えています。                         
 
# by fieldnote | 2006-10-12 06:51 | ホンシュウジカ

オコジョ

早池峰でオコジョに出会いました。早池峰にはもう何十回も登っていますが、私にとってオコジョはニホンカモシカやツキノワグマ、ノウサギなどにくらべ出会う確立はとても低い動物で、これで2回目です。

シーズン中は毎日のように山を歩いている自然保護監視員の方でも、そう簡単には会えないそうで、しかも、「どこだりに出はるもな(いるところが決まっていない)」と言うことです。
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Canon EOS kiss DN   EF17-40mm F4L


私にとっては幸せな時間でしたが、いきなり人間の足もとに出てきてしまった彼にとっては恐怖のひとときだったかもしれません。
# by fieldnote | 2006-10-09 09:58 | オコジョ